この曲、なあに?

【 ちょっと寄り道・・・この曲なあに?  】 2014.7(NO.1)〜2016.11(NO.15)
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→この曲、なあに?2019.7(NO.31)〜2021.12(NO.45)こちらをご覧ください。
→この曲、なあに?2022.1(NO.46)〜こちらをご覧ください。

♪ No.1 ♪(2014.7.7〜8.31)


愛の夢 第3番(フランツ・リスト)
この曲は「愛の夢 ピアノのための3つのノクターン(夜想曲)」の中の第3番で、フライヒラートの詩「おお、愛しうる限り愛せよ」に魅了されたリストが、1845年に歌曲として作曲し、その後1850年にピアノソロ用に編曲したものである。ピアノ版の出版にあたっては、歌曲で用いられた詩が楽譜冒頭に揚げられてあり、ピアノ曲としての「愛の夢」も詩と切り離しては考えられないことを示唆していると思われる。ロマンチックな楽想は、リストのピアノ作品の中でもとりわけ広く親しまれている。

♪ No.2 ♪(2014.9.1〜10.31)


平均律クラヴィーア曲集第1巻 第1番プレリュード(J.S.バッハ)
平均律クラヴィーア曲集は、24の調性をハ長調から順に半音ずつ上がり、それぞれの調が「プレリュード」と「フーガ」の2曲からなっている。多彩な曲想の「プレリュード」とポリフォニーの高度な技法で書かれた「フーガ」からなるこの曲集を、ハンス・フォン・ビューローは「ピアニストの旧約聖書」、シューマンは「ピアニストの日々の糧」と呼んだように、ピアノ演奏の学習として最も重要な曲集の一つである。 第1番プレリュードは分散和音のみから成り立っており、同時化すると厳格な5声体に還元される。後に、グノーが伴奏にして歌曲「アヴェ・マリア」を作曲したことでも知られている。

♪ No.3 ♪(2014.11.1〜12.31)


夜想曲 第8番変ニ長調 Op.27-2(F.ショパン)
ショパンは生涯で21曲の夜想曲(ノクターン)を書いたが、そのうちの18曲は、それぞれ2曲、3曲とまとめられて生前刊行されている。この夜想曲第8番変ニ長調Op.27−2(8分の6拍子)は、1835年に作曲され、最高に魅惑的な旋律、精微な装飾音、仕上げの完璧さ、内容の甘美さからOp.9-2およびOp.15-2 とともにショパンのノクターン中でもっとも良く知られており、しばしば「貴婦人のノクターン」と呼ばれている。ちなみに第7番嬰ハ短調Op.27−1はノクターン中もっとも陰鬱で壮大である。

♪ No.4 ♪(2015.1.1〜2.28)


1月 炉ばたにて『四季-12の性格的描写Op.37bis』より(チャイコフスキー)
1月から12月までの12曲からなる「四季」は、ペテルブルグの月刊誌『ヌウェリスト』上で連載された。一か月ごとに、毎月の季節感が表現されたロシアの詩人による作品を曲の題材としてチャイコフスキーが音楽的に描写したものである。広大なロシアの大地、ペテルブルクの街の景色などの自然や、日常生活のできごと等、チャイコフスキーの五感を通して伝えられる。「1月 炉ばたにて」長い冬の夜、炉端に家族全員が集まって暖を取っている。弦楽四重奏を思わせる心あたたまる音楽である。

♪ No.5 ♪(2015.3.1〜4.30)


春の歌『無言歌集』より(メンデルスゾーン)
『無言歌集』は、文字通りことばのない歌曲という意味で、全部で48曲からなる性格的小品集である。それぞれに標題がついており、それらの美しい描写や叙情的な小品は、技巧的にも難しくないことから発表の当時から多くの人々に愛されてきた。「春の歌」は、この『無言歌集』の中でも最も有名な曲。楽譜の冒頭に「春の歌のように」という発想標語があり、細かく彩られた装飾音の上に有名な温かくやさしい旋律が流れていく。

♪ No.6 ♪(2015.5.1〜6.30)


ノクターン op.9-2『左手のための二つの小品』より(スクリャビン)
スクリャービンはモスクワ音楽院にいた頃に、同期の学生と難曲を競って練習しその結果右手を痛めてしまったが、左手の練習に専念し、その頃に「2つの左手のための小品」を作曲した。1曲目が前奏曲、2曲目がこのノクターンである。甘美なメロディで始まりダイナミックな盛り上がりを経て最初のメロディとともにため息をつくかのように終わる。楽譜を見ても、音だけを聞いても左手だけで弾いていると思えないような広がりのある曲である。

♪ No.7 ♪(2015.7.1〜8.31)


乙女の祈り(バダジェフスカ)
バダジェフスカはポーランドのアマチュアの女流作曲家で「乙女の祈り」は18歳(22歳?)の時の作品。1856年にワルシャワで出版された「乙女の祈り」が翌年パリの音楽雑誌の付録として掲載されるやいなや、大ヒットとなり、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカの80を超える出版社から刊行され、さまざまな編曲で親しまれた。華やかなオクターヴの序奏にはじまり、親しみやすいメロディと7連符や10連符できらきらと彩られる変奏は多くの人がどこかで耳にしたことがあるでしょう。

♪ No.8 ♪(2015.9.1〜10.31)


月の光『ベルガマスク組曲』より(ドビュッシー)
ドビュッシーはフランスの作曲家で、この曲は28歳の頃の作品。「月の光」は全4曲からなる『ベルガマスク組曲』の第3曲目。優しく切ない旋律は、この組曲の中では最も有名で、単独でも演奏機会の多い曲である。月の光そのものの描写というよりも、静かな優しさをたたえた月に寄せる気持ちを表現したもので、ちょっとした和音の変化が人の心の微妙な動きを反映しているかのようである。オーケストラにも編曲されている。

♪ No.9 ♪(2015.11.1〜12.31)


ピアノソナタk.331 第3楽章『トルコ行進曲』(モーツァルト)
当時流行していたトルコ趣味を取り入れたもので、左手の伴奏がトルコの軍楽隊の打楽器の響きを模倣している。この軽快で親しみやすいメロディーは誰もが知っているモーツァルトのピアノ曲ではないだろうか。 ピアノの演奏会などでも、このトルコ行進曲だけが単独で演奏されることも多いが、全部で3つの楽章からなるピアノソナタの第3楽章。『ピアノソナタ第11番 トルコ行進曲付き』とされる場合もある。

♪ No.10 ♪(2016.1.1〜2.29)


エリーゼのために(ベートーヴェン)
ベートーヴェンが40歳の頃に作曲した優しく可愛らしい小品で、その特徴的な主題と分散和音によって始まるメロディはもっとも広く知られている。タイトルの「エリーゼ」について、ベートーヴェンの周囲にエリーゼと言う名の女性がいないためにこれまで様々な説が挙げられているが、「テレーゼ」を「エリーゼ」と読み間違えた説が有力である。

♪ No.11 ♪(2016.3.1〜4.30)


シシリエンヌ(フォーレ)
「シシリエンヌ」とは、イタリアのシシリー島の舞踏曲で、短調でゆっくりとした8分の6拍子で書かれる。作曲者のガブリエル・フォーレは1845年生まれのフランスの作曲家。この曲は、1897年にチェロとピアノの曲として書かれたが、後に「ペレアスとメリザンド 」の第5曲に使用されている。フォーレの作品では最もポピュラーで、分散和音に乗って付点リズムで奏でられる旋律は物悲しくも優雅で美しく、聴く人の心に深く残ることでしょう。

♪ No.12 ♪(2016.5.1〜6.30)


調子の良い鍛冶屋(愉快な鍛冶屋)(ヘンデル)
『調子の良い鍛冶屋(愉快な鍛冶屋)』は、ヘンデルの『ハープシコード組曲 第5番 ホ長調』HWV.430 の終曲「エアと変奏」に付けられた俗称。楽曲は、変奏の度ごとに旋律もしくは伴奏の音価が細分化されてゆく。右手に16分音符が連鎖する第1変奏、16分音符の動きが左手に移る第2変奏、16分音符の三連符が右手に現れる第3変奏、第3変奏と同じ音型が左手に移動する第4変奏、32分音符が両手に交互に現れる華やかな最終変奏。 日本では、「調子の良い鍛冶屋」という訳語が定着しているが、「お調子者の鍛冶屋」という誤解を招きかねないため、新たに「愉快な鍛冶屋」という訳語も使われつつある。 また、鍛冶屋のハンマーの音はしばしばよく響くところから、軽快にハンマーを叩く「よく響く鍛冶屋」とも解釈できる。親しみのある旋律である。

♪ No.13 ♪(2016.7.1〜8.31)


メヌエット(ボッケリーニ)
18世紀末のイタリアの作曲家、ルイジ・ボッケリーニは、当時はチェロ演奏家としても高名で、自身の演奏のためにチェロ協奏曲、チェロソナタ、弦楽四重奏曲にチェロを1本加えた弦楽五重奏曲を多く残している。 この曲は、弦楽五重奏曲ホ長調G275の第3楽章で「ボッケリーニのメヌエット」として大変有名である。ピアノ独奏に編曲されピアノを習う子供たちの定番曲の一つになっている。

♪ No.14 ♪(2016.9.1〜10.31)


ピアノソナタOp.27-2  幻想曲風ソナタ(sonata quasi una fantasia) 1楽章(ベートーヴェン)
ベートーヴェンが31歳の時の作品。「月光」という名で親しまれ、第8番(悲愴)、第23番(熱情)と合わせてベートーヴェンの3大ピアノソナタと称される。 弟子で恋人でもあったイタリアの伯爵令嬢ジュリエッタ・グイチャルディ(当時17歳)に捧げられたが、身分差のため、実らぬ恋で終わった。
この第1楽章は、終始ゆっくりと、途切れることのない3連符の上に符点リズムを伴った旋律が奏される。

♪ No.15 ♪(2016.11.1〜12.31)


練習曲作品25第11番 木枯らし《こがらし》
1836年にフレデリック・ショパンによって作曲されたピアノ独奏曲。冒頭はゆっくりとした行進曲風の主旋律が右手で始まり、その後、荒々しく流れ落ちる16分音符の半音階的楽行と主旋律の左手の跳躍で構成されている。第二主題はそのままハ長調に移行して落ち着き、まもなく第一主題を反復する。フォルティッシモのコーダで終幕へ向かい、最後に主題の提示で終わる。