この曲、なあに?

【 ちょっと寄り道・・・この曲なあに?  】 2019.7(NO.31)〜
→この曲、なあに? 2014.7(NO.1)〜2016.11(NO.15)掲載分はこちらをご覧ください。
→この曲、なあに? 2017.1(NO.16)〜2019.5(NO.30)掲載分はこちらをご覧ください。
→この曲、なあに? 2022.1(NO.46)〜掲載分はこちらをご覧ください。

♪ No.31 ♪(2019.7.1〜8.31)


舞踏への勧誘 変ニ長調 作品65(ウェーバー)
ウェーバーのピアノ曲で最も有名な作品で1819年に作曲された。ウェーバーが妻カロリーネに捧げた作品で、妻にこの曲を捧げたとき、ウェーバーは小節ごとにその意味を説明しながらピアノで弾いて聞かせたと伝えられる。 ベルリオーズ編曲による管弦楽版でも広く知られている。随所に一対の男女の姿を描写する部分があり、標題音楽を得意とするオペラ作家の作風があらわれている。

♪ No.32 ♪(2019.9.1〜10.31)


献呈(シューマン=リスト)
リストは他の作曲家による歌曲を数多くピアノ独奏用に編曲しており、この曲もその一つである。原曲はシューマン作曲の歌曲集「ミルテの花」の第一曲『献呈』。愛に満ち溢れたリュッケルトの詩に曲をつけ、結婚式の前日にクララに贈った。曲の最後にシューベルトのアヴェ・マリアのTフレーズが使われている。シューマンが作曲したその6年後にリストがピアノ独奏用に編曲した。リストらしくキラキラとしたパッセージに飾られ、喜びに満ち溢れているような作品である。

♪ No.33 ♪(2019.11.1〜12.31)


エンターティナー(スコット・ジョプリン)
スコット・ジョプリン(1868〜1917)はテキサス生まれ。セントルイスやシカゴなどでピアニストとして働きながら、ヨーロッパ音楽の勉強に力を入れていた。めざしていたのは当時の黒人ピアニストが弾いていたラグタイムという音楽をヨーロッパのクラシックと肩を並べられるようなものにすることだった。この「エンターティナー」は映画「スティング」によって世界的な大ヒットとなり、現在もっともポピュラーなラグタイムと言えるだろう。

♪ No.34 ♪(2020.1.1〜2.29)


愛の挨拶(エルガー)
イギリスの作曲家、エドワード・エルガー(1857〜1934)が1888年に妻となるキャロライン・アリス・ロバーツとの婚約記念に贈った曲である。もともとヴァイオリンとピアノの曲として作曲されたが、後にエルガー自身によってピアノ独奏用、オーケストラ用等に編曲、作曲された。A-B-Aの3部形式からなる小品。全編に優しく甘く語りかけるようなメロディが流れる。多くの人々を魅了するこのメロディを、題名は知らなくともきっとどこかで聴いたことがあるのではないだろうか。他には、1901年に作曲された《行進曲「威風堂々」》が特に有名である。

♪ No.35 ♪(2020.3.1〜4.30)


花のワルツ≪くるみ割り人形≫より(チャイコフスキー)
ロシアの作曲家、ピョートル・イリーチ・チャイコフスキー(1840〜1893)は、自身が作曲したバレエ音楽『くるみ割り人形』から抜粋して、演奏会用組曲としてバレエ組曲『くるみ割り人形』を改編した。全8曲からなる組曲は「小さな序曲」から始まり「行進曲」「金平糖の精の踊り」「ロシアの踊り(トレパック)」「アラビアの踊り」「中国の踊り」「葦笛の踊り」そしてフィナーレを飾るのが「花のワルツ」である。明るく華やかな「花のワルツ」はオーケストラで単独で演奏されることもありとても人気のある曲である。

♪ No.36 ♪(2020.5.1〜6.30)


人魚の歌《叙情小曲集》より(ギロック)
アメリカの作曲家、ギロック(1917〜1993)は、子供から大人まで幅広い世代に人気のある作曲家で、親しみやすくきれいなメロディの作品を数多く残していることから『音楽教育界のシューベルト』と呼ばれている。この『人魚の歌』は24曲からなる叙情小曲集の中に収められていて、わずか11小節の短い曲ながら、情景が浮かんでくるような明るく爽やかな小品である。

♪ No.37 ♪(2020.7.1〜8.31)


熊蜂の飛行(リムスキー・コルサコフ)
プーキシン原作による歌劇『皇帝サルタンの物語』の第3幕で演奏される曲。主人公のグヴィドン王子が魔法の力で蜂に姿を変え、悪役の2人の姉妹を襲う場面で使われる曲である。ぶんぶん飛び回る熊蜂の羽音を半音階で絶え間なく動く旋律によって巧みに描写されており、広く知られている。。独奏用などに編曲され、演奏者のテクニックを示すために、様々な楽器でしばしば演奏される。

♪ No.38 ♪(2020.9.1〜10.30)


ラ・カンパネラ(リスト)
6曲からなる『パガニーニによる大練習曲』の第3番。イタリアの名ヴァイオリニストで作曲家でもあるパガニーニが作曲したヴァイオリン曲の中の6曲をもとにリストがピアノ独奏曲に編曲(作曲)してまとめたものである。 ラ・カンパネラはイタリア語で「鐘」を意味する。高音部の嬰ニ(#レ)を効果的に(オクターヴやトリルや連打)によって鐘の音を印象付けている。冒頭は、物悲しいような、遠くから聞えてくるような鐘の音から始まり、後半へむけてきらびやかに盛り上がっていくさまはリストならではの構成といえる。 リストの作品の中でももっとも人気の高い曲である。

♪ No.39 ♪(2020.11.1〜12.31)


道化師(カバレフスキー)
ドミトリー・ボリソヴィチ・カバレフスキー(1904年12月30日 - 1987年2月14日) は、ロシアの作曲家・ピアニスト・著述家。子供向けに優れた作品を残した現代の作曲家の一人と看做されている。この「道化師」は『24の子供のためのやさしい小品Op.39』の20曲目である。1ページの短い曲だが、軽快なリズムと音型は道化師のコミカルな動きを表しており、馴染みやすくユニークである。
同じタイトルの、組曲「道化師」 Op.26(1939年) 第2曲「ギャロップ(道化師のギャロップ)」は、日本の運動会でよく使われる楽曲として、非常に有名。

♪ No.40 ♪(2021.1.1〜2.28)


お正月変奏曲(三宅榛名)
三宅榛名は1942年9月20日生まれの日本の作曲家である。この「お正月変奏曲」は10曲が収められている『日本のうた変奏曲集(こどものためのピアノ曲集)』の中の1曲で、原曲は滝廉太郎作曲の「お正月」。他には「うさぎ」「かごめ」「かぞえうた」「子守歌」「さんさ時雨」「つき」「鉄道唱歌」「鳩」「赤とんぼ」と、よく知られている曲をさまざまに変奏し、展開し、ひろがりをみせている。楽しい曲集である。

♪ No.41 ♪(2021.3.1〜4.30)


春(W.F.バッハ)
この曲を書いたヴィルヘルム・フリーデマン・バッハはJ.S.バッハとマリアの間に生まれた長男で、ドイツの作曲家、オルガニスト。別名「ハレのバッハ」や「ドレスデンのバッハ」。多彩な作品を多く書いている。この曲は、4分の2拍子、明るく軽快で春の喜びが感じられる曲である。

♪ No.42 ♪(2021.5.1〜6.30)


インヴェンション 第1番 ハ長調(J.S.バッハ)
2声の対位法で作曲された15曲のインヴェンションと3声の対位法で作曲された15曲のシンフォニアの曲集の第1曲目。「クラヴィーアの愛好者、特にその学習希望者に(1)二つの声部をきれいに弾きこなすだけでなく、さらに上達したならば、(2)三つのオブリガート声部をも正しく、かつ、手際よく処理し、あわせて同時にインヴェンツィオを単に得るだけでなく、それを巧みに展開し、そしてとりわけカンタービレの奏法をしっかりと身につけ、しかもかたわら作曲への強い関心をも養うための明確な方法を教示するところの、正しい手引き。」バッハは完成した曲集の扉に自らこのように記した。長男フリーデマンのレッスン用の小品を集めて改訂したものである。

♪ No.43 ♪(2021.7.1〜8.31)


スラブ舞曲 Op.72-2(ドヴォルザーク)
チェコ国民楽派を代表する作曲家、ドヴォルザークが作曲した舞曲集。元はピアノ連弾のために書かれたが、作曲者自身によって全曲が管弦楽編曲された。管弦楽はドヴォルザークが初演の指揮をしている。各8曲からなる第1集作品46(B83)と第2集作品72(B147)がある。この連弾曲は作品72の2曲目で、スラブ舞曲の中では最も親しまれ、演奏される機会も多い。管弦楽版はテレビのCMなどでも使われることが多くそちらを知っている人の方が多いのではないだろうか。ドヴォルザークは民族舞曲のリズムや特徴を生かしつつも、旋律は独自に作曲している。

♪ No.44 ♪(2021.9.1〜10.31)


小組曲 (ドビュッシー)
フランスの作曲家ドビュッシーは印象派の絵画や詩から多くの影響を受け「印象主義」と呼ばれる新しい音楽のスタイルを確立した。「小組曲」は第1曲「小舟にて」第2曲「行列」第3曲「メヌエット」第4曲「バレエ」の4曲からなり、1888年〜9年にかけて4手ピアノ連弾曲として作曲された。サロン風な優雅で繊細、軽妙な雰囲気を持っている。1889年にドビュッシー自身を一方の奏者として初演が行われた。 この曲は、第1曲目の「小舟にて」。広大な庭園の運河で豪奢な舟遊びに興ずる人々の様子を表している。

♪ No.45♪(2021.11.1〜12.31)


ハンガリー舞曲 第5番 (ブラームス)
ドイツの3大B(Bach、Beethoven、Brahms)と呼ばれる作曲家の一人であるブラームス(1833−97)は19世紀後半に活躍したドイツ・前期ロマン派の大作曲家のひとり。ブラームスが作曲した『ハンガリー舞曲』は全部で21曲。元々ピアノ連弾用の作品だが、第10曲まではブラームス自身によってピアノソロ用にも編曲されている。この第5番は、アレグロ、4分の2拍子の3部形式で、オーケストラにも編曲され、曲集のなかでも最も有名で親しまれている一曲である。