この曲、なあに?

【 ちょっと寄り道・・・この曲なあに? 】 2017.1(NO.16)〜2019.5(NO.30) 
→この曲、なあに? 2014.7(NO.1)〜2016.11(NO.15)掲載分はこちらをご覧ください。
→この曲、なあに? 2019.7(NO.31)〜2021.12(NO.45)掲載分はこちらをご覧ください。
→この曲、なあに? 2022.1(NO.46)〜掲載分はこちらをご覧ください。

♪ No.16 ♪(2017.1.1〜2.28)


幻想曲「さくらさくら」 (平井康三郎)
平井康三郎(1910年〜2002年)は日本の作曲家。この曲の原曲は近世筝曲の『さくら』である。幻想的な8小説の序奏に続き、のびやかに『さくら』の旋律(♪さくら〜さくら〜やよいのそらは〜みわたすかぎり〜・・・♪)が流れる。『さくら』の旋律は、速度やリズム、表情を変えながら進み、筝をかきならすかのような勢いのパッセージの後、太鼓の音を思わせる軽快なリズムが刻まれる。その後『さくら』の旋律は高音部・低音部と華やかに一気に駆け抜け、最後はE音で静かに終わる。

♪ No.17♪(2017.3.1〜4.30)


春に寄す『To Spring』 (グリーグ)
この曲は、グリーグの全66曲からなるピアノ曲集「抒情小曲集」の第3集(作品43)第6曲。1867年(24歳)から1901年(58歳)まで、創作活動の長い期間にわたってピアノ小品集「抒情小曲集」を書き残した。この「春に寄す」はグリーグの作品中で最もよく知られる名曲の一つで、4分の6拍子。右手の和音の連打のもとに、左手の旋律が浮かび上がる。春の喜びと自然の美しい情景が目に浮かぶような抒情的な作品。 デンマークへ旅行中ホームシックになり、祖国ノルウェーの美しく雄大な自然を讃えるべく作曲したという。

♪ No.18♪(2017.5.1〜6.30)


プロムナード『展覧会の絵』より (ムソルグスキー)
『展覧会の絵』は、ロシアの作曲家ムソルグスキーが、若くして亡くなった親友(急進的な建築家であり画家でもあったヴィクトル・ハルトマン)の遺作展で見た絵画にインスピレーションを受けて作曲したものと言われている。タイトルがついた10曲からなる組曲である。5/4拍子と6/4拍子が交替しながら冒頭に奏される「プロムナード」は「ハルトマンの遺作展に足を運んだムソルグスキーの歩く様子」を表したもので、形を変えながらこの後も曲間で挿入されるが、それはムソルグスキーが次の絵へと移動している様子を表現している。もともとはピアノ曲だが管弦楽にも編曲されており、管弦楽版では、各々の《プロムナード》が異なる楽器で演奏される。

♪ No.19♪(2017.7.1〜8.31)


ソナタ C dur Hob.XVI:35 1楽章(ハイドン)
1780年以前の作品。ピアノ学習者のソナタ入門としてよく演奏され、ハイドンのソナタの中ではよく知られている作品の一つである。第1楽章はハイドンらしい明るいメロディで、形式は古典的によっている。主題提示部は反復され力強いリズムと明快な旋律が拡がり、展開部は3連符を基調に左手の優美な動きが曲を盛り上げる。ソナチネアルバムにも収録されている。

♪ No.20♪(2017.9.1〜10.31)


「六つの小品Op.118」より第2曲 間奏曲 (ブラームス)
ブラームスが亡くなる2〜3年前の作品。ブラームスの存命中に出版された最後から2番目の作品であり、クララ・シューマンに献呈されている。。作品118は、六つの小品からなり、この第2曲(イ長調)は最も有名で単曲でも演奏されることが多い。優しさを讃え、どこか懐かしいような美しいメロディは聴く人の心を魅了する。またブラームスの晩年的技巧を示す曲である。

♪ No.21♪(2017.11.1〜12.31)


樅の木「五つの小品『樹木の組曲』」より (シベリウス)
モミの木は常緑樹で、一年中葉が枯れることなく青々と繁り続けることから、北欧では「永遠の生命」の象徴とされ、フィンランド国民にとって心のよりどころとなっている木である。
この曲は、Strettoと記された1小節の短い序奏の後、Lentoで憂いをたたえた美しいメロディが聴こえ始める。途中、Risoluteになるとカデンツァ風の32分音符が連なり、あたかもフィンランドのツンドラの大地に吹きすさぶ冷たい北風のようである。その後、Lentoの憂いのある美しい旋律は深く沈みこんでいく。

♪ No.22♪(2018.1.1〜2.28)


即興曲 Op.90-2 (シューベルト)
フランツ・ シューベルトが晩年、1827年頃に作曲したピアノ独奏曲。4曲からなる即興曲の第2曲目。シューベルトの即興曲の中で最もポピュラーな1曲でとても人気のある明るく華麗な曲である。シンプルな左手の伴奏に乗って、音階風な3連符のメロディが絶え間なくコロコロと転がるように軽やかに流れる。中間部には短調で暗く躍動感のある力強いメロディが奏され、見事なコントラストを作っている。

♪ No.23♪(2018.3.1〜4.30)


 踊る子猫(ワルツィング・キャット) (L.アンダーソン)
ルロイ・アンダーソン(1908〜1975)の音楽には擬音の効果がよく用いられているのも特徴の一つである。この曲でもオーケストラではバイオリンやクラリネットのポルタメントで猫の鳴き声が表現されている。優雅な猫の舞踏会に招かれざる客のワン公が侵入して大混乱になってしまうという愉快な曲である。CDには最後に本物の犬の声が録音されているのも茶目っ気たっぷりで楽しい。

♪ No.24♪(2018.5.1〜6.30)


前奏曲 op.3-2 嬰ハ短調  (ラフマニノフ)
前奏曲 嬰ハ短調」作品3-2は、セルゲイ・ラフマニノフの最も有名なピアノ曲の一つ。 モスクワ音楽院を卒業した1892年、19歳のときに書き上げられた5曲からなる《幻想的小品集》作品3の第2曲として出版された。クレムリン宮殿の鐘の音にインスピレーションを受けた作品とされ、「鐘」または「モスクワの鐘(The Bells of Moscow)」などの愛称で親しまれている。

♪ No.25♪(2018.7.1〜8.31)


ソナチネ 9番 ハ長調  (クレメンティ)
クレメンティは、1752 年 1 月 23 日、ローマで生まれ1832年、3月10日にロンドンの北西のイヴシャムで生涯を閉じた。この曲は明るく溌剌としており、構成的にも非常に均整が取れている。リズムの明快さと力強さの第1主題と、なめらかな美しい曲想をもつ第2主題が対比が面白い。 ピアノ学習者の手ごろな練習教材として親しまれている。

♪ No.26♪(2018.9.1〜10.31)


紡ぎ歌  (エルメンライヒ)
作曲者のアルベルト・エルメンライヒ(1816−1905)は、ドイツの宮廷劇場の俳優で、オペラ作曲家でもあった。 この曲は、ピアノ曲集「音楽の風俗画(Musikalische Genrebilder)」(作品14)の中の1曲として作曲された。 左手はスタッカートでトントンと同じリズムを刻み、右手で奏するメロディは口ずさみたくなるような調子の良い明るく楽しいもので、糸車をクルクルと回しているようでもある。発表会などでもよく取り上げられ人気の高い曲である。

♪ No.27♪(2018.11.1〜12.31)


花の歌  (ランゲ)
ドイツのピアニストのグスタフ・ランゲ(1830-1889)の作品。発表会で弾きたい憧れの定番曲。ランゲは400曲以上のピアノ曲を作曲し、当時大変流行したが、現在最もポピュラーな曲がこの《花の歌》である。 冒頭の夢見心地な優しく甘いメロディは揺れる風のような左手のアルペジオに乗り、花の香りも連れてくるようである。中盤では転調し華やかでドラマチックな盛り上がりを見せ、また冒頭の優しいメロディが歌われ、最後は和音の転回形が効果的に用いられ歌い上げるように終わる。

♪ No.28♪(2019.1.1〜2.28)


イタリア協奏曲 BWV971  (バッハ)
1735年バッハは二段鍵盤のための『クラヴィーア練習曲集』第2巻を出版した。その第1曲が「イタリア趣味による nach italienischem Gusto」、こんにち通称《イタリア協奏曲》とよばれる作品である。 ライプチッヒ時代に書かれたもので、ヴィヴァルディなどの協奏曲様式を模倣して作られていることから、このタイトルがついた。 明朗快活な第1・第3楽章と優美な第2楽章、急-緩-急の3楽章からなり、バッハのピアノ曲の中では人気の高い曲の一つである。

♪ No.29♪(2019.3.1〜4.30)


飛翔  (シューマン1810年- 1856年)
1837年に作曲された『幻想小曲集(Fantasiestucke)』は、8曲からなるピアノ曲集で、各曲にはタイトルがつけられている。【1.夕べに 2.飛翔 3.なぜに 4.気まぐれ 5.夜に 6.寓話 7.夢のもつれ 8.歌の終わりに】
それぞれ幻想的な情緒に満ちており、「飛翔(Aufschwung)」はその第2曲。力強い冒頭が印象的で、内声部に情熱的な旋律が歌われる。曲集の中では、最も有名なもので単独で演奏されることも多い。

♪ No.30♪(2019.5.1〜6.30)


『24の前奏曲 作品28』より第7番 イ長調  (ショパン1810年- 1849年)
24曲からなる前奏曲集は1839年1月にマジョルカ島で完成した。尊敬するバッハの平均律に影響を受け、24曲がすべて異なる調で書かれている。曲の配列は平行調の長短交互に、5度循環形式。
第7番はアンダンティーノ、4分の3拍子。穏やかなマズルカ風の短い作品で、日本では太田胃散のCMに使用され、よく知られるようになった。この曲集では、この第7番と第15番「雨だれ」が特に有名で親しまれている。